産業連関分析による経済波及効果の算出 - STEPnetwork 有限会社ステップネットワーク

産業連関分析による経済波及効果の算出

経済効果というと、オリンピック開催による経済効果とか、阪神優勝の経済効果という言葉を耳にすることがあるかと思います。
ここでいう経済効果とは、たいていの場合、それを起因として、世の中にどれだけのお金が動くかを積み上げたものです。
このような経済効果は、いったいどのようにして算出されているのでしょうか。

一般的には、国や都道府県が公表した産業連関表を用いて、経済波及効果を算出する方法が多く用いられていると思われます。

具体的な手順としては、以下のようなものになります。

  1. イベントや事業により発生する最終需要(消費)額を想定する
  2. 産業連関表から各産業部門の投入係数を求め、誘発される生産額を算出する
  3. 誘発される雇用者報酬から、各部門に消費される生産額を算出する

ここで最も難しいのが、最終需要額の想定です。
特に、オリンピックの開催とか、阪神優勝とかの場合には、それによってどういった種類の最終需要(消費)が発生するかを網羅的に想定するのは極めて困難です。
したがって、算出する人によって結果に大きく差が出ることも多いのです。

ところが、これが公共工事となるとさほど難しくありません。
最終需要額は、建設工事費用とイコールとなり、それ以外の需要は発生しないからです。

あとはその最終需要額に対する中間投入として、各産業部門の投入係数を求めれば良いわけですが、一般的な産業分類であれば、総務省や都道府県が公表している産業連関表から求めることができますし、例えば建設事業であれば、国土交通省が建設関連の産業連関表を公表していますので、それを用いることができます。

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 【建設事業による経済波及効果集計イメージ】

産業連関表には、総務省が公表している全国単位のものや都道府県が公表している都道府県単位のものがありますので、全国レベルの経済波及効果や当該都道府県レベルの経済波及効果を算出できる他、さらに市町村単位の算出も可能です。
しかしながら、その精度は、全国レベルのものが最も高く、市町村レベルのものは(計算が面倒であるのに・・・)誤差がかなり大きいものと考えられますが。

といったわけで、公共事業による整備効果の検討に際して、産業連関分析による経済波及効果の算出は、一つの有効なツールとして活用できるものと考えられます。

事業による最終需要(費用と内容)が明らかで、一般的な産業部門分類(34部門、108部門)により全国レベルの経済波及効果を算出する場合には、安価な費用で対応可能です。
もちろん、都道府県単位、市町村単位の経済波及効果の算出、特定の産業部門のみ詳細に分類した検討等も可能ですので、ご相談下さい。


<余談>
総務省や都道府県が作成する産業連関表は、5年毎に公表されているのですが、その計算に多大な時間を要するようで、公表までにかなりの時間がかかります。
総務省の平成17年産業連関表が公表されたのはつい数ヶ月前ですし、都道府県の産業連関表では、まだ平成12年が最新です。
それを補うために、経済産業省が簡易延長産業連関表というデフレータを用意していますが、これも2年遅れくらいで公表されるんですよね。
ま、いずれにしても、産業連関分析による経済波及効果の算出は、ある時点のひとつの経済モデルに基づいた推計であって、単なる目安程度の数値に過ぎないことを忘れてはならないでしょう。

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